2010年09月29日

宇宙太陽光利用システム - JAXAの研究

JAXAの進める研究は、「はやぶさ」や「イカロス」などに代表される宇宙探査だけではない。より実用的で身近に実感できる有用なimages-3.jpg技術の開発も行なっている。

たとえば、宇宙太陽光利用システム(Space Solar Power Systems:SSPS)。要は、地球の高度3万6000kmの静止軌道上に、100m四方の規模で反射板を拡げ、太陽光を集めることによって、地球にエネルギーを伝送するシステムである。エネルギーを空中で伝送するために、太陽光をレーザーに変換し、そのレーザー光を地上で受け、1GW(ギガワット)級の発電に相当するエネルギーを定常的に確保しようとするものである。

ちなみに1GWの出力というのは、現行の原子力発電の約一基分に相当しており、たとえば、日本の柏崎刈羽原子力発電所は、7基の軽水炉で、合計約8GW/hの出力を可能としている。エジプト・ナイル川の巨大ダムとして有名なアスワン・ハイ・ダムの水力発電出力は約2.1GWとなっている。JAXAの目標としている宇宙太陽光発電の規模が実用的と考えられる所以である。

この構想を実現するための要素技術は、着々と開発・検証されており、実験レベルでは、ほぼ実現可能なレベルに到達している。

実際には、100m四方の反射板を静止軌道上の構造物として、組み立てる技術は簡単ではない。あるいは、太陽光をレーザーに変換し、それをさらに地上で受け、変換するなどの技術。それぞれに課題はあるものの、大きな問題はほぼ解決可能とされており、2020年から2030年までには十分実現できる見通しとなっている。

JAXAへの金額的な支援や様々な援助をさらに行なえば、実現時期を早めることも可能であり、日本政府も、もっとこうした技術支援に積極的に目を向けてもらいたいものである。

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posted by 火星ちゃん at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 地球 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月24日

ボイジャーの旅は続く

劇場版「スタートレック」の第1作の設定はおもしろい。今こそ、話題となっても良いくらいだ。参考のために要約すると:

正体不明の巨大な雲状の何かが銀河系を地球に向かって進んでいる。その進路を妨害しようとするものは攻撃され、消滅させられてしまう。そして地球への軌道上の近くで残っている宇宙船はついにエンタープライズ号だけとなった。昇進して今は地上任務についていたカーク提督は船長に復帰し、調査に向かう。そして、雲の中に「ヴィージャー」と名乗る謎の存在を突き止める。「ヴィージャー」は、地球にいるはずの創造主と一体化するのが目的であった。220px-Voyager_Golden_Record.jpg

結論は、「ヴィージャー」(スペルはVger)は実はボイジャー(スペルはVoyager)だったという話。つまり、Vとgerの間のoyaの文字が欠けていたため、Vgerと呼ばれていただけだった。長い航海の中で、人工知能が自らの意思を持つようになり、かつて打ち上げられた地球に戻ろうとしていた、ということ。

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ボイジャー計画は、NASAによる太陽系の外惑星および太陽系外の探査が目的であり、1977年に1号、2号と打ち上げられた。すでに30年以上の航行を続けているが、1号は2020年、2号は2030年までは稼働を続けることができると言われている。エネルギー源はいずれも原子力電池であるが、消耗品の寿命が持つ限り、機材が壊れることはないらしい。最後は、原子力電池の出力が低下し、すべての機器に電源を供給できなくなるために機能が停止してしまう。それにしても高い技術力であり、NASAの底力はすごい。

いずれにせよ、ボイジャー1号、2号はともに、現在、太陽から170億km以上離れた太陽系の淵を秒速約17kmで飛行中で、地球から最も離れたところにある人工物体となっている。ちなみに上記スタートレックの中の「ヴィージャー」は架空の「ボイジャー6号」という設定だそうだ。

写真は、ボイジャーに積まれている、金メッキされたレコード板。「地球の音(The sounds of Earth)」というタイトルで、地球上の様々な言語による挨拶、音楽、音、イラスト、写真などが収録されている。ボイジャーの公式サイトは現在もNASAによって運営されている。

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posted by 火星ちゃん at 12:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 太陽系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月14日

宇宙の終焉とは

宇宙がビッグバンで始まったという説は今や一般的になってきたが、宇宙の終焉についてはまだまだ謎が多い。

ビッグバン自体をさらに細かく検証し、その前後、あるいは進行の過程を研究する内にさまざまな仮説や理論が唱えられ、同時に、現在の膨張する宇宙と、これからの進行、そして宇宙の終焉があるのかどうか、などを矛盾なく説明するための理論化が今でも盛んに行われている。

当初の一般相対性理論では引力によって宇宙がやがて収縮してしまうため、アインシュタインはやむなく引力を打ち消す力を宇宙項として追加した。しかし宇宙は収縮しないばかりか、むしろ膨張している。

最近の研究では、宇宙空間は単に膨張しているのではなく、加速度的に膨張しており、その勢いはますます大きくなってきている。いったい、どこにそんな力が存在するのか。アインシュタイン以来、大きな謎となっていた。

宇宙空間は、いわば真空であり、真空中に恒星や銀河が存在する。それ以外に大きな物質や質量は存在しない。つまり、目に見える力だけでは宇宙の膨張の説明がつかないのだ。引力に逆らう力はどこのあるのか。hs-2004-12-c-web.jpg

そこで登場したのが「ダーク・エネルギー」という仮説である。ダーク・エネルギーとは、正体不明の力の総称であり、「真空のエネルギー」もその内の一つだ。真空のエネルギーは、負のエネルギー、つまり、反発する重力、ということになる。言いかえると、何もないはずの真空中に、エネルギーが存在し、それが、宇宙を加速膨張させる原動力となっている。

現在の宇宙の膨張の速度から、宇宙空間における力の70%はダークエネルギーでなければならず、その正体が真空のエネルギーではないかと、今では多くの物理学者が考えている。

いずれにせよ、このまま宇宙が膨張を続けると、最後にはそれぞれの銀河や恒星が、お互いの光の届かない距離にまで離れて行く。見た目では、それぞれが孤立してしまい、夜空には星すら見えなくなる。それがさらに進行すると、物質のレベルから、ついには素粒子のレベルで、ばらばらになるほど膨張を続ける。それが、ビッグ・リップ(Big Rip)と呼ばれる宇宙の終焉理論であり、2003年にフィジカル・レビュー・レター(Physical Review Letters)誌に論文(Robert Caldwell他)として発表された。

(写真はHUBBLESITE.ORGに掲載された宇宙の終焉の可能性。右端がビッグ・リップ)

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posted by 火星ちゃん at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 天地創造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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