2010年12月24日

理論が完成しても解消されない不思議−統一理論への道(その5)

さて、この問題について、まとめに入ろうと思う。

最新の超弦理論、M理論、多次元宇宙論などを理論として正確に理解するには相当な数学、物理学の知識が必要となる。したがって、概念的にはこの辺りまでの説明で一応終了とさせていただきたい。

ただ、この話はここで終わりではない。アインシュタインを筆頭に、先人たちの夢想した統一理論が仮に完成したとしても、宇宙に関する不思議な感覚は解消されない。たとえば、以下のようなことだ。

1 宇宙の始まりのときには、基本的に水素とヘリウムしかなかった(図で言うインフレーション)inflation.jpg
2 宇宙の膨張に伴い、恒星や銀河が誕生する前に基本となる元素合成が短期間で行なわれ、その後、さまざまな営みを経て、現在のような宇宙になるのに150億年を要したとされる。
3 その間、無機的な元素が組み合わさり、やがて有機的な分子が構成され、生物的な物質が誕生、そして生物が生存できる環境が生まれる
4 しかし、どんなに時間が流れたとしても、水素やヘリウムから、どうやって、犬や猫、人間などが誕生するのであろうか
5 (神のような存在抜きで)誰も介在せずに、人間が経験するような不可思議な人生が営まれるものだろうか

筆者はこのような疑問を抱きつつ、我が家で飼っている猫がじゃれついたり、人間に甘える仕草を見ている。すると頭が混乱してしまうのだ。どうして猫がこのような振る舞いをするまでに至ったのかが、まったく理解できないからである。

宇宙の統一理論が完成し、様々なシミュレーションを行うことができたとしても、果たしてペットの猫のようなものが誕生できるとは到底イメージできないのだ。そのように考えている自分という人間、あるいは、人間が生まれ、考え、行動し、一生を終えるという人生そのものが不思議でしょうがない。

結局、宇宙の仕組みは我々の考えが及ぶべくもない深いものなのだ、と結論付けるしかない。だとすれば、人間として誕生した幸運を神や仏に感謝する以外、何をこれ以上求める必要があるのだろうか。(この項、終り)


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2010年12月07日

弦理論から超弦理論へ−統一理論への道(その4)

現代の物理学の理論に至るまでには2つの大きな柱があった。

一つは、星や銀河など宇宙的なスケールで説明する一般相対性理論。もう一つは、分子、原子よりもさらに小さい物質の最小スケールを理論化する量子力学である。この2つの理論は、それぞれのスケールにおいて、物事を矛盾なく説明して見せた。

その結果、それぞれの理論はその世界では正しく、誕生から数10年間は”問題なく両立”していた。ところが、ブラックホールの発見や、ビッグバンの研究が進むにつれ、どうしても避けては通れない問題が浮上してきたのである。

ひも理論.jpgブラックホールの中心では宇宙規模の莫大な質量が、砂粒以下の小さい規模に凝縮されているらしい。ビッグバンは、砂粒が巨大に見えるほどの小さな固まりから宇宙の膨張が始まり、現在のような姿になったとされる理論である。どちらの場合も、一般相対性理論と量子力学を同時に使いこなす必要がある。しかしながら、双方の方程式を同時に当てはめ考えようとすると、答に矛盾(Anomalies)が生じてくる。それぞれの規模の世界では正しい方程式が、同時に適用すると問題が生じてうまくいかないのだ。

量子力学では、量子は、粒子と波の性質を併せ持つとよく言われる。それ自体、矛盾しているように聞こえる。粒子であり、波である、とはどういうことか。

単純に考えると、物質の最小単位は限りなく小さい0次元の粒子あるいは点であってほしい。しかし波の性質も併せ持つ?それは困る。いったい物質の最小単位は、粒子なのか、波なのか。

その答として有望視されたのが、弦理論(ひも理論)だった。

まず、物質の最小単位は、0次元の点ではなく、一次元の紐(細長いひも)であったら、と考える。そのひもは同時に振動している。おまけに、そのひもは輪ゴムのように輪になって閉じている。その輪に厚みがあるのか、ないのか、あるいはドーナツ型なのか。いろいろ考えなければならない要素はあるものの、いずれにせよ、それが、弦のように振動している。だから弦理論と呼ばれる。しかし、この仮説は、”予想外”にいろいろなことを矛盾なく説明できた。

さて、ここまでは、なんとか無理やりイメージできただろうか。しかし、これから先が難解である。呼び方からして、最近は、単純に弦理論ではなく、「超」が付いて、超弦理論と、超が付いてしまう。「超」の意味こそが難解である。かいつまんで言うと、量子的なレベルでのスピン(回転)の性質と、対称性(+と−が対になって存在とか)の問題などを説明するために、「超」が必要なのである。(この項、続く)


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posted by 火星ちゃん at 14:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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