2010年10月07日

特異な恒星、イータ・カリーナ

ビッグバンによる宇宙誕生から137億年と言われ、こうした雄大な宇宙の時間の流れと比べると、人間の寿命はせいぜい100年しかない。したがって、夜空を見上げても、星座が巡ることはあっても、それほどの大きな変化を目にすることは稀である。
250px-EtaCarinae.jpg
特に恒星は、その名が示すように、”安定した”天体であり、その変化を肉眼で観察できる機会はまずないと言ってもいい。しかし、りゅうこつ座のイータ星(別名:イータ・カリーナ Eta Carinae)は、そうした常識を覆した特異な恒星である。
(写真はハッブルが捉えたイータ星を包む双極の人形星雲の画像。くびれの中央部分の白い点がイータ星)

イータ・カリーナは、過去に何度も異常な増光や光度変化を繰り返している。ハレー彗星で知られるエドモンド・ハレーは1677年にこの星の等級を4等星と記している。しかし、19世紀前半から異常とも言える明るさに増光し、光度変化を繰り返しながら、1840年代には−0.8等級まで明るくなった。そのときの明るさは、南半球で観察されるカノープスを抜いて、シリウスに次ぐ明るい星となった。全天で一番明るいシリウスはおおいぬ座アルファ星としても知られるが、地球から8.6光年の距離にある。それに対して、イータ・カリーナは7500光年も離れた距離にあるのだ。その差を考えると、どれほどの異常な光度を発したのか想像を超えている。しかしながら、その明るさも徐々に失われ、1900年代に入ると、肉眼では見えない8等級まで暗くなってしまった。それから約1世紀を経た現在では、6等級ほどの明るさに戻っている。

光度変化の原因は実はよくわかっていない。急激にこれほどの明るさになるのは当初、超新星爆発ではないかと想像されたが、そういうことではなかった。おそらく超巨星の表面の一部が爆発したか、あるいはまだ超新星になり損ねている状態ではないかと考えられている。いずれにせよ、イータ・カリーナは、恒星の光度変化の理由を解析するためのきっかけとなり、その後、さまざまな研究が続いている。

現在では、イータ・カリーナは太陽の質量のおよそ70倍と30倍の質量を持つ2つの恒星による連星であり、高輝度青色変光星LBVと分類されている。絶対等級は、いて座のLBV1806−20やピストル星には及ばないものの、太陽の約40万倍に相当する−12.1等級である。

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posted by 火星ちゃん at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 恒星 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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