2010年10月15日

ガンマ線バーストの影響

直近で観測されたガンマ線バーストはいずれも遠距離であり、地球への放射量が少ないため、影響はほとんどない。一般に、ガンマ線バーストは継続時間が短いために、その影響も限定的と考えられる。しかしながら、近くで発生した場合、短い時間でも、地球大気に深刻な被害をもたらす可能性がある。それがオゾン層の破壊だ。

近距離でバーストが起きた場合、10秒程度の継続時間であっても、地球大気のオゾン層の半分が破壊される可能性があることがわかった。オゾン層がいったん消滅すると、元に戻るのに少なくとも5年を要するという。その間、太陽からの紫外線量が増え、地上や、海・湖沼の表面近くに生息する生命の大半は死滅してしまう。そのため、食物連鎖も破壊され、生物が大量に絶滅することになる。

カンザス大学のブルース・リーバーマン博士は、約4億5000万年前のオルドビス紀に実際に以上のようなことが起こり、生物大絶滅を引き起こした可能性を示した。

ガンマ線バーストの観測は20世紀後半から徐々に本格的に始まった新しい研究課題である。バースト源の観測も難しく、その発生機構も完全にはわかっていない。しかし、これほど大きなエネルギーを発生するメカニズムの解明が天体物理学上、極めて重要な問題であることは理解できる。発生の頻度と、その影響の大きさも当初の予想を超えており、宇宙の真理を解明するためには欠かすことのできない研究だ。350px-Gammarayburst-GRB990123.jpg

写真は、1999年1月23日に起きたガンマ線バーストの発生源であるGRB990123と呼ばれる天体。発生源を部分的に拡大したのが右側。可視光での残光の最も明るい点の上部に見える細長く伸びた淡い光はバースト源が所属している銀河。この銀河は別の銀河と衝突している。銀河の明るさと比較して、この一点から発せられた残光のすさまじさはいかばかりか。ガンマ線バーストのとてつもないエネルギーの放射量が想像できよう。

もし、このようなことが、将来、天の川銀河とアンドロメダ銀河の衝突の最中に起こったとしたら、双方の銀河に所属しているすべての星の生態系が壊滅的な影響を受けることになるかもしれない。遠い未来の話ではあるが...

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posted by 火星ちゃん at 10:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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