2010年10月05日

宇宙の長さの単位

宇宙は大きいので、その長さの単位も大きく設定した方が何かと都合がよい。

”短い”長さでは、太陽半径(Solar radius)という単位がある。文字通り、太陽の半径を一単位にしたもの。約69万6000kmである。

太陽は、数ある宇宙の恒星の中でも、実は、平均的な性質を持つと考えられている。平均的という意味は、大きさや質量、表面温度や出力する光量などの物理的な性質のことである。したがって、太陽の性質を一単位として考えると、他の恒星との比較がしやすいということになる。parsec-300.png

次に、天文単位、という長さの単位がある。天文単位(AU=Astronomical Unit)は地球と太陽との平均的な距離で、約1億5000万kmである。太陽半径は、約0.004649天文単位ということになり、これは地球の半径の約109倍である。

もっと、長いのが、光年(ly=light-year)。これは1年間に進む光の距離で、約9.46ペタ・メートル(9.46兆km)で、約6万3241天文単位に相当する。

そして、夜空を見上げたときに、1天文単位の距離が、1秒角の角度となる距離が、1パーセクである(図)。1パーセク(pc=parsec=Parallax Second)は約3.26光年になる。

前置きが長くなったが、長さの単位をある程度、明確にしてからでないと、次の話題に進みずらいのである。(この項、続く)



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posted by 火星ちゃん at 14:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 宇宙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月27日

今でも宇宙のすべては説明できない

一般相対性理論は、現在観測されている膨張する宇宙や、ブラックホールの存在など、多くの重要な事柄を説明できるすばらしい理論だ。しかしながら、万能というわけではない。マクロ的な宇宙の現象を説明するには都合がよいが、ビッグバンにまで、さかのぼると、説明しがたい矛盾が出てくる。ビッグバンとその直後の宇宙の状況は、一般相対性理論の範疇を超えており、もっとミクロ的な現象を説明できる理論が必要なのである。

そこで、現在の物理学では、ある状況下では正しく説明が可能ないくつかの理論を組み合わせることにより、ビッグバンから現在に至る宇宙の状況を何とか説明する。言い方は悪いが、うまくつじつまを合わせるために、ミクロの世界では量子論を軸に、マクロな状況では一般相対性理論を中心に、宇宙全体の謎を解き明かそうとしている。

アインシュタインが気に入らなかったのは、複雑な理論でしか、宇宙の説明ができなかったことである。彼は、宇宙とはもっと美しく、わかりやすいものであり、一部の人にしか理解できない難解な数学や、つぎはぎだらけの理屈でしか説明できないような考え方は正しくない、と思っていた。

アインシュタイン流に言うと、宇宙をつかさどる神は、すべてを説明できる一つの理論に基づいて宇宙を創り上げたはずであり、それが見つからないうちは、本当の説明ではない。したがって、正しい解を導き出す万能の「宇宙方程式」のようなものが存在するはずであり、それを解き明かすことこそが重要と考えていた。

以前、触れたが、困難とされている恒星間航行や、時間を制御するタイムマシン的なものは、実はまだ我々が到達できていない理論により、実現する方法があるのかもしれない。今、説明不能だからと言って、実現不可能ということにはならない。現代物理学の限界を超える新しい考え方が証明されるかもしれないのだ。

たとえば、多次元宇宙論は以前からも多く提唱されてきたが、今でも想像可能な考え方である。225px-Stephen_Hawking.StarChild.jpg

我々は、3次元の空間に時間という次元が加わった世界にいる。現在の次元に暮らす人たちには、もう一つの次元が加わった状況を見ることができない。頭では想像できても、実際に観測することが難しい。しかしながら、別の次元の存在を仮定するところから始めるのだ。

最近、ホーキング博士(写真)などは膜宇宙論に注目している。現在の宇宙は、一つの膜(限られた次元)の中の宇宙であり、別の膜では、別の宇宙が存在するというものだ。膜はいくつも存在し、その結果、今は理解不能な事象の多くを説明することができると言う。
posted by 火星ちゃん at 09:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 宇宙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月25日

アインシュタインの過ちとは

特殊相対性理論(1905年)の特殊とは、加速している場合や重力を含まない特殊な状態を意味する。対して、一般相対性理論(1915 - 1916年)は、それらを含む一般的な状態を説明するための理論だった。特に、一般相対性理論の中の重力場の方程式は、アインシュタイン方程式とも呼ばれ、今日の宇宙論の基礎となっている。225px-Albert_Einstein_Head.jpg

一般相対性理論では、宇宙の膨張、ブラックホールなどの存在が示唆されていたが、アインシュタイン(写真)自身は、宇宙は定常的なもの、つまり静止宇宙モデルを信じていた。それまでの方程式では、重力により、宇宙が収縮する可能性があったため、重力とは逆の斥力(反重力)の存在を提唱、宇宙項と呼ばれる方程式を追加(1917年)した。重力と反重力で釣り合いを取ることにより静止宇宙モデルを維持したとされている。

しかしながら、一般相対性理論のアインシュタイン方程式については、その後、様々な研究者が独立して解を求めた結果、宇宙の膨張について、フリードマン・ロバートソン・モデルが提唱(1922年)され、さらにジョルジュ・シュメートルが膨張のはじまりの存在(後にビッグバンと呼ばれる)を理論的に示した(1927年)。これらの理論を裏づけるように、エドウィン・ハッブルが、遠方の銀河の観測により、宇宙が膨張していることを示し、理論の正しさを証明した(1929年)。

ハッブルの結果を受け、静止宇宙モデルを信奉するアインシュタインは、「人生最大の過ちは宇宙項にある」と語り、みずから導き出した宇宙項を消去した(1931年)と伝えられている。
posted by 火星ちゃん at 13:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 宇宙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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