2010年09月14日

宇宙の終焉とは

宇宙がビッグバンで始まったという説は今や一般的になってきたが、宇宙の終焉についてはまだまだ謎が多い。

ビッグバン自体をさらに細かく検証し、その前後、あるいは進行の過程を研究する内にさまざまな仮説や理論が唱えられ、同時に、現在の膨張する宇宙と、これからの進行、そして宇宙の終焉があるのかどうか、などを矛盾なく説明するための理論化が今でも盛んに行われている。

当初の一般相対性理論では引力によって宇宙がやがて収縮してしまうため、アインシュタインはやむなく引力を打ち消す力を宇宙項として追加した。しかし宇宙は収縮しないばかりか、むしろ膨張している。

最近の研究では、宇宙空間は単に膨張しているのではなく、加速度的に膨張しており、その勢いはますます大きくなってきている。いったい、どこにそんな力が存在するのか。アインシュタイン以来、大きな謎となっていた。

宇宙空間は、いわば真空であり、真空中に恒星や銀河が存在する。それ以外に大きな物質や質量は存在しない。つまり、目に見える力だけでは宇宙の膨張の説明がつかないのだ。引力に逆らう力はどこのあるのか。hs-2004-12-c-web.jpg

そこで登場したのが「ダーク・エネルギー」という仮説である。ダーク・エネルギーとは、正体不明の力の総称であり、「真空のエネルギー」もその内の一つだ。真空のエネルギーは、負のエネルギー、つまり、反発する重力、ということになる。言いかえると、何もないはずの真空中に、エネルギーが存在し、それが、宇宙を加速膨張させる原動力となっている。

現在の宇宙の膨張の速度から、宇宙空間における力の70%はダークエネルギーでなければならず、その正体が真空のエネルギーではないかと、今では多くの物理学者が考えている。

いずれにせよ、このまま宇宙が膨張を続けると、最後にはそれぞれの銀河や恒星が、お互いの光の届かない距離にまで離れて行く。見た目では、それぞれが孤立してしまい、夜空には星すら見えなくなる。それがさらに進行すると、物質のレベルから、ついには素粒子のレベルで、ばらばらになるほど膨張を続ける。それが、ビッグ・リップ(Big Rip)と呼ばれる宇宙の終焉理論であり、2003年にフィジカル・レビュー・レター(Physical Review Letters)誌に論文(Robert Caldwell他)として発表された。

(写真はHUBBLESITE.ORGに掲載された宇宙の終焉の可能性。右端がビッグ・リップ)

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2010年09月12日

ブラックホールの発見

ブラックホールがどうして謎なのか。
それは目に見えないからである。

目に見えないものを想像するのは難しい。しかしながら、ブラックホールは、どうも至るところに存在するらしい。そして、今や、ブラックホール抜きに宇宙を語ることはできないほど、重要な存在となっている。

ブラックホールの概念が最初に登場したのは、およそ200年前にさかのぼる。18世紀の英国の牧師であり、科学者でもあったジョン・ミッチェル(John Michell:1724−1793年)は、ニュートンの万有引力が光にも適用されるならば、物体の質量が十分に大きくなると、光さえ脱出できなくなり、目に見えなくなるはずだと考えた。正に、ブラックホールの概念だ。

ミッチェルは、万有品力の法則から、実際に質量の計算まで行ない、どの位で目に見えなくなるのかを数値で表し、論文に記した。その論文は、現在も大英博物館に保管されているが、当初、あまり注目されなかったため、”ブラックホール”の記述が発見されたのは、1970年代になってからであった。

ブラックホールの理論的な骨子は、アインシュタインの一般相対性理論の宇宙項、いわゆる宇宙方程式から導かれた。アインシュタイン自身は宇宙項を撤回したが、カール・シュワルツシルト(Karl Schwarzschild:1873−1916年)は第1次世界大戦の従軍中に、そ200px-Black_Hole_Milkyway.jpgの特殊解を導き出し、後に、それがブラックホールを示唆した発見として認識されることになった。

アインシュタインとも親交のあった、ロバート・オッペンハイマー(Robert Oppenheimer:1904−1967年)は、若くして頭角を現した天才物理学者であるが、中性子星の理論的研究の過程で、ブラックホール生成の研究の端緒を開いた。しかし、第2次世界大戦で、原爆の開発を主導する立場になり、ブラックホールの研究自体は中断されてしまったと言われている。

1960年代に入り、ブラックホールの理論的な研究が進んだが、この謎の天体を、「ブラックホール」と名付けたのは、米国の物理学者、ジョン・ホイーラー(John Archibald Wheeler:1911−2008年)である。ホイーラーはまた、「ワームホール」の名付け親としても知られている。

はじめて、ブラックホールが観測されたのは、1970年代に入り、X線星の観測が盛んになってからである。X線星は、普通の恒星と見えない天体で連星を作っており、高速で絡み合いながら、お互いが回っている。放出されるX線の強さとその変動値が計算されると、見えない天体の大きさや質量がわかってきた。

その中で、白鳥座X-1と名付けられたX線連星の見えない天体が、はじめてブラックホールと認定された。白鳥座X-1のブラックホールの半径は数10km程度と考えられている。(写真はブラックホールのイメージ)

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2010年09月08日

天体衝突が地球の鉱山資源のルーツ

有史以来、地球上には様々な元素が存在する。鉄、銅、金、銀、プラチナ。酸素、炭素(と結合した二酸化炭素)、カルシウム、シリコンなどなど。しかし、これらの元素を作りだすのは容易なことではないことは先に述べた。人類という知的生命体の誕生も奇跡的に近いが、これだけ多くの元素が惑星に存在していること自体、気が遠くなるほどの過程を経ており、やはり奇跡的と言わざるを得ない。

そして、世界有数の油田や鉱山が、実は天体衝突によるクレーターに位置していることもあまり知られていない。

米国オクラホマ州のエイムズ油田では石油の井戸が円形状に沿って掘られていることから詳細な地質調査が行われた。その結果、地下に直径16kmのクレーターが存在することがわかった。無題2.jpg

世界の金の産出量の半分を占める最大の金鉱がある南アフリカのプレデフォート・クレーターは直径300kmに及ぶ。他にも、カナダにあるサドベリー・クレーターのニッケル鉱山、同カーズウェル・クレーターのウラン鉱山、ドイツにあるリース・クレーターの石炭、ロシアのポピガイ・クレーターのダイヤモンドなど、枚挙にいとまがない。(図はユーラシア大陸およびアフリカ各地に点在するクレーター)

地球は、地殻変動が活発なことから、あまりクレーターが残っていないと考えられていたが、そうではなかった。多くのクレーターがまだ未発見なだけで、これらクレーターには資源が豊富に眠っている可能性があるのである。

(参考:NHKスペシャル「未知への大紀行宇宙」)
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