2010年10月08日

宇宙で一番大きな星

恒星の大きさを推定するのは結構むずかしい。数千光年も離れていては、あまりにも遠いために、物理的に大きさを測定することが不可能なのだ。実際、現在確認されている恒星の中で、もっとも大きいのではないかと言われている、おおいぬ座のVY星(VY Canis Majoris)は、約5000光年のかなたにある。
250px-Sun_and_VY_Canis_Majoris.svg.png
さて、その大きさだが、直径約25億〜30億km。これは太陽の1800倍から2100倍に相当する。もし太陽の代わりに太陽系の中心に置いてみると、土星の軌道にまで達する大きさになる。仮に、この恒星を時速800km程度のジェット旅客機で1周すると、約1300年を要するという。

おおいぬ座VY星は、赤色超巨星であり、不規則に光度変化を起こす脈動変光星である。実視等級は7.4等から9.6等級の間で、肉眼では確認できない。

最近のハッブルによる観測では、重力から解放されたガスが流出して、恒星の周囲約1光年に渡って取り巻いている。一番外側のものは1000年前、もっとも新しいものは約50年前に流出したと見られている。最終的には超新星爆発を起こすと推測されており、時期的には今から1000年前後までに起こるという説もある。

写真は、太陽と比較した、おおいぬ座VY星の想像図。太陽があまりにも小さいので、その部分だけを拡大している。

あと、おおいぬ座VY星は含まれていないが、おもしろい動画がYouTubeに上がっていた。



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2010年10月07日

特異な恒星、イータ・カリーナ

ビッグバンによる宇宙誕生から137億年と言われ、こうした雄大な宇宙の時間の流れと比べると、人間の寿命はせいぜい100年しかない。したがって、夜空を見上げても、星座が巡ることはあっても、それほどの大きな変化を目にすることは稀である。
250px-EtaCarinae.jpg
特に恒星は、その名が示すように、”安定した”天体であり、その変化を肉眼で観察できる機会はまずないと言ってもいい。しかし、りゅうこつ座のイータ星(別名:イータ・カリーナ Eta Carinae)は、そうした常識を覆した特異な恒星である。
(写真はハッブルが捉えたイータ星を包む双極の人形星雲の画像。くびれの中央部分の白い点がイータ星)

イータ・カリーナは、過去に何度も異常な増光や光度変化を繰り返している。ハレー彗星で知られるエドモンド・ハレーは1677年にこの星の等級を4等星と記している。しかし、19世紀前半から異常とも言える明るさに増光し、光度変化を繰り返しながら、1840年代には−0.8等級まで明るくなった。そのときの明るさは、南半球で観察されるカノープスを抜いて、シリウスに次ぐ明るい星となった。全天で一番明るいシリウスはおおいぬ座アルファ星としても知られるが、地球から8.6光年の距離にある。それに対して、イータ・カリーナは7500光年も離れた距離にあるのだ。その差を考えると、どれほどの異常な光度を発したのか想像を超えている。しかしながら、その明るさも徐々に失われ、1900年代に入ると、肉眼では見えない8等級まで暗くなってしまった。それから約1世紀を経た現在では、6等級ほどの明るさに戻っている。

光度変化の原因は実はよくわかっていない。急激にこれほどの明るさになるのは当初、超新星爆発ではないかと想像されたが、そういうことではなかった。おそらく超巨星の表面の一部が爆発したか、あるいはまだ超新星になり損ねている状態ではないかと考えられている。いずれにせよ、イータ・カリーナは、恒星の光度変化の理由を解析するためのきっかけとなり、その後、さまざまな研究が続いている。

現在では、イータ・カリーナは太陽の質量のおよそ70倍と30倍の質量を持つ2つの恒星による連星であり、高輝度青色変光星LBVと分類されている。絶対等級は、いて座のLBV1806−20やピストル星には及ばないものの、太陽の約40万倍に相当する−12.1等級である。

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2010年10月06日

宇宙で一番明るい星

夜空を見上げると、無数の星が輝いている。しかし、それらの星々は明るさが異なるうえ、地球からの距離も色も違う。実際の大きさとか、特徴とかを区別するにはどうすればよいのだろうか。

星の明るさの尺度として、等級(magnitude)というものがある。整数または小数で表し、明るい星ほど値が小さく、2等星よりも1等星の方が明るい。そして、1等星より明るいのが、0等星、その下は、負の数で表すことになっている。1等級違うと、約2.512倍(100の5乗根)変化する。つまり、等級差が5等級の場合は、明るさはちょうど100倍違うことになる。等級の考え方は、歴史的に、肉眼の観測で得られた視等級(または実視等級:visual magnitude)から来ている。

実視等級は地球から見たときの見かけ上の明るさ。星の明るさは、距離の2乗に反比例するため、10倍の距離の置くと等級は5等級暗くなる。見かけ上の明るさだけでは不便なため、本当の明るさを表す単位が考案された。星を一様に地球から10パーセク(約32.6光年)の距離に置いたときの明るさを仮定するのである。これを絶対等級(absolute magnitude)と呼び、見かけ上の実視等級と区別して表す。たとえば、太陽は見かけ上もっとも明るい恒星であり、その実視等級はー26.7等級であるが、10パーセクの距離に置いた場合の絶対等級は4.8等級となり、これは”普通”の明るさだ。
220px-Wolf-rayet.jpg
今まで、観測できた明るい恒星の中でも、最も明るい星(絶対等級)は、いて座方向に位置するLBV1806−20と呼ばれる星で、2004年に発見された。当初太陽の4000万倍の明るさと言われていたが、最近ではせいぜい200万倍程度という意見もある。それまでは、1990年代の初めにハッブル宇宙望遠鏡で発見されたピストル星(Pistol Star)と呼ばれるLBVで、太陽の400万〜1500万倍明るいとされている。LBVとは、Luminous Blue Variableの略で、高輝度青色変光星と呼ばれる。

LBVは、やがて膨張を始め、高温の内部が露出して、恒星の一生の末期状態である青色巨星(別名、ウォルフ・ライエ星:Walf-Rayet Star)となり、やがて超新星爆発を起こすものと考えられている。(写真はウォルフ・ライエ星の想像図)

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