2011年01月26日

距離が離れていても相関関係を維持する量子もつれ

以心伝心、とか、虫の知らせのようなことは多くの人が体験していることだろう。特に血の繋がった人や親しい人同士で当てはまることが多い。

普通に考えれば、自分が強く思うほど、それが相手に伝わるのだろうと誰しも思う。とうして伝わるかは別として、とにかく思いは伝わるものだ。それがエスカレートすると、念力やテレパシーという次元になり、今まではややもするとオカルト的なことになってしまう。

ところが最近の宇宙論の話題の中で、特に量子の振る舞いが完全に解明されると、この謎が科学的に説明できるかもしれない。

かつてアインシュタインは、不可解な遠隔作用の存在に頭を悩ませた。それが今で言う、「量子もつれ」量子もつれ.jpg(写真はイメージ)と呼ばれる現象である。「量子もつれ」とは、互いに相関を持つ2つの粒子は、たとえ何キロメートルと離れた距離にあっても、同じ運命を共にする現象とされる。この不思議な現象はどんなに距離が離れていても相関を持つ。ところが、最近の研究で、時間的に離れていても相関を持つ可能性が指摘された。

これらが事実だとするとたいへんなことになるが、今までも論じてきたように、量子レベルでは多次元空間を行き来するのが普通だとすれば不可能ということでもない。

人間の遺伝子が親から子へ受け継がれる以上、そこに含まれる微細なものが量子レベルで共有されていると考えれば、人の思いのレベルでお互いに量子もつれの相関を維持している可能性があるわけだ。そうだとすると、距離が離れていようが、多少時間的に離れていようが、情報が瞬時に伝わってくるということである。何とも興味深い話ではないか。


なるほど、と思ったら押してね。
にほんブログ村 科学ブログ 天文学・天体観測・宇宙科学へ 人気ブログランキングへ
posted by 火星ちゃん at 13:05| Comment(1) | TrackBack(0) | 理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月07日

ビッグバンはどうして起きたか−インフレーション

宇宙の始まりはビッグバンだった、という話は結構一般的になっている。ビッグバンが本当だったとして、それでは、ビッグバンはどのように起きたのか。ビッグバンの前はどうなっていたのか。この疑問に答える説明はまだまだ一般的ではない。CMB_Timeline300_jp.png

その答えが「インフレーション」あるいは「インフレーション」宇宙論と呼ばれるものである。

むずかしい理論抜きで説明して見よう。

宇宙はどうして大きくなったのか。実は、とてつもなく小さいところから現在のような大きな姿になったと推測されている。ところが、その大きくなるまでの時間がとても短かった。

どの位、短かったのかというと−−−
宇宙のホントのホントの始まりの起点を時間0とし、そこから数えて、10のマイナス36乗秒から10のマイナス34乗秒の間のあたりで、宇宙が急激に膨張した。

インフレーション的な考え方は以前から指摘されていたが、1978年にコーネル大学(当時。現MIT)のアラン・グース(Alan Harvey Guth, 1947-)も着想した。グースは、1980年代に、宇宙の急激な膨張を、経済学のインフレーションになぞらえ、冗談めかして、インフレーション宇宙論と名付けた。これにより「インフレーション理論」として一般化した。

インフレーション理論が”おもしろい”のは、宇宙の始まりから1秒に満たない微少な時間の間に、量子レベルの細かい次元のミクロな話から、宇宙的な規模までに膨張するマクロな話につながるビッグバンに至るまで、様々なできごとが起こっている点である。

ビッグバン以降、”平穏に”膨張を続ける宇宙は、現在に至るまで”ゆるやかに”137億年の時が流れた。ところが、宇宙の始まりから1秒に満たない時間の間に、とてつもなく複雑で不可思議なできごとが目白押しに起こっていたらしいのである。このようにインフレーション的に起きた膨大なできごとを検証しようとしているのが現代宇宙物理学の現状でもある。

インフレーション宇宙論は今でもホットな理論的研究や観測が継続しており、有望な理論ではあるが、それでも完全に解明されているわけではない。宇宙の始まりから、たった1秒に満たない間に何が起きたのか。実ははっきりしていないところも多いのである。たからインフレーション理論が”おもしろい”とも言えるのである。


なるほど、と思ったら押してね。
にほんブログ村 科学ブログ 天文学・天体観測・宇宙科学へ 人気ブログランキングへ
posted by 火星ちゃん at 15:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月24日

理論が完成しても解消されない不思議−統一理論への道(その5)

さて、この問題について、まとめに入ろうと思う。

最新の超弦理論、M理論、多次元宇宙論などを理論として正確に理解するには相当な数学、物理学の知識が必要となる。したがって、概念的にはこの辺りまでの説明で一応終了とさせていただきたい。

ただ、この話はここで終わりではない。アインシュタインを筆頭に、先人たちの夢想した統一理論が仮に完成したとしても、宇宙に関する不思議な感覚は解消されない。たとえば、以下のようなことだ。

1 宇宙の始まりのときには、基本的に水素とヘリウムしかなかった(図で言うインフレーション)inflation.jpg
2 宇宙の膨張に伴い、恒星や銀河が誕生する前に基本となる元素合成が短期間で行なわれ、その後、さまざまな営みを経て、現在のような宇宙になるのに150億年を要したとされる。
3 その間、無機的な元素が組み合わさり、やがて有機的な分子が構成され、生物的な物質が誕生、そして生物が生存できる環境が生まれる
4 しかし、どんなに時間が流れたとしても、水素やヘリウムから、どうやって、犬や猫、人間などが誕生するのであろうか
5 (神のような存在抜きで)誰も介在せずに、人間が経験するような不可思議な人生が営まれるものだろうか

筆者はこのような疑問を抱きつつ、我が家で飼っている猫がじゃれついたり、人間に甘える仕草を見ている。すると頭が混乱してしまうのだ。どうして猫がこのような振る舞いをするまでに至ったのかが、まったく理解できないからである。

宇宙の統一理論が完成し、様々なシミュレーションを行うことができたとしても、果たしてペットの猫のようなものが誕生できるとは到底イメージできないのだ。そのように考えている自分という人間、あるいは、人間が生まれ、考え、行動し、一生を終えるという人生そのものが不思議でしょうがない。

結局、宇宙の仕組みは我々の考えが及ぶべくもない深いものなのだ、と結論付けるしかない。だとすれば、人間として誕生した幸運を神や仏に感謝する以外、何をこれ以上求める必要があるのだろうか。(この項、終り)


なるほど、と思ったら押してね。
にほんブログ村 科学ブログ 天文学・天体観測・宇宙科学へ 人気ブログランキングへ
posted by 火星ちゃん at 16:54| Comment(1) | TrackBack(0) | 理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。