2010年12月07日

弦理論から超弦理論へ−統一理論への道(その4)

現代の物理学の理論に至るまでには2つの大きな柱があった。

一つは、星や銀河など宇宙的なスケールで説明する一般相対性理論。もう一つは、分子、原子よりもさらに小さい物質の最小スケールを理論化する量子力学である。この2つの理論は、それぞれのスケールにおいて、物事を矛盾なく説明して見せた。

その結果、それぞれの理論はその世界では正しく、誕生から数10年間は”問題なく両立”していた。ところが、ブラックホールの発見や、ビッグバンの研究が進むにつれ、どうしても避けては通れない問題が浮上してきたのである。

ひも理論.jpgブラックホールの中心では宇宙規模の莫大な質量が、砂粒以下の小さい規模に凝縮されているらしい。ビッグバンは、砂粒が巨大に見えるほどの小さな固まりから宇宙の膨張が始まり、現在のような姿になったとされる理論である。どちらの場合も、一般相対性理論と量子力学を同時に使いこなす必要がある。しかしながら、双方の方程式を同時に当てはめ考えようとすると、答に矛盾(Anomalies)が生じてくる。それぞれの規模の世界では正しい方程式が、同時に適用すると問題が生じてうまくいかないのだ。

量子力学では、量子は、粒子と波の性質を併せ持つとよく言われる。それ自体、矛盾しているように聞こえる。粒子であり、波である、とはどういうことか。

単純に考えると、物質の最小単位は限りなく小さい0次元の粒子あるいは点であってほしい。しかし波の性質も併せ持つ?それは困る。いったい物質の最小単位は、粒子なのか、波なのか。

その答として有望視されたのが、弦理論(ひも理論)だった。

まず、物質の最小単位は、0次元の点ではなく、一次元の紐(細長いひも)であったら、と考える。そのひもは同時に振動している。おまけに、そのひもは輪ゴムのように輪になって閉じている。その輪に厚みがあるのか、ないのか、あるいはドーナツ型なのか。いろいろ考えなければならない要素はあるものの、いずれにせよ、それが、弦のように振動している。だから弦理論と呼ばれる。しかし、この仮説は、”予想外”にいろいろなことを矛盾なく説明できた。

さて、ここまでは、なんとか無理やりイメージできただろうか。しかし、これから先が難解である。呼び方からして、最近は、単純に弦理論ではなく、「超」が付いて、超弦理論と、超が付いてしまう。「超」の意味こそが難解である。かいつまんで言うと、量子的なレベルでのスピン(回転)の性質と、対称性(+と−が対になって存在とか)の問題などを説明するために、「超」が必要なのである。(この項、続く)


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2010年11月29日

もしも突然太陽が消えたら重力は?−統一理論への道(その3)

地球もそうだが、太陽系の惑星は、太陽の回りを回っている。太陽の質量が、惑星に比べて、とても大きいので、惑星は太陽を中心に回っているように見える。引力は質量に比例するが、もし太陽の引力がなければ、慣性にしたがって、惑星はそのままどこかへ飛んでいってしまう。Orbit4.gif

さて、もし、太陽が突然なくなるとどうなるか。実際にはそんな突拍子もないことは起きないだろうが、もしも、という仮定だ。実はおもしろいことがわかるのである。

つまり、太陽が突然消えて、引力が働かなくなっても、いきなり惑星が外に飛んで行ってしまうことはない。公転はしばらく続くのである。どの位、続くのか。それは引力が光の速度と同じ速さで作用していることから類推できる。つまり、太陽がなくなってから、引力の作用が光速で到達しなくなるまでの時間、惑星の公転が続くのである。言われてみれば、そうか、と思うが、頭で考えて、いきなりそのイメージを描くのは難しい。

太陽系のような大きな問題で考えると、このような相互作用は、まあ、何とか理解できる。ところが、量子力学における粒子レベルの相互作用はもっと難解である。量子力学では光すら光子という量子単位に落として考える必要があるからである。

さて、量子力学において、「量子もつれ(Quantum Entanglement)」と呼ばれる現象がある。そのままカタカナで、エンタングルと呼ばれることもある。

説明のため、2つの粒子A、Bから成る系を考える。それぞれのスピン量をベクトルとして単純化して考えてみると、粒子A、Bはある時刻においては、それぞれ1/2、-1/2のベクトル量となり、足し算するとゼロになる。量子力学によると、測定結果として1/2と-1/2がそれぞれ確率が1/2で得られるという状態だ。

そして、片方の粒子の測定結果が1/2であれば、結果的に系の状態を保つためには別の粒子は-1/2となる。これは100%そうなる。つまり、粒子の片方を測定して値が1/2だった場合、もう片方は測定する必要もなく、-1/2となる。つまり相関関係があるのである。

しかし、粒子A、Bは同時刻には空間的に離れた場所にある。どうも時間的な遅れがないようなのだ。ここが太陽消滅問題のようなマクロ的な話と異なる。粒子Aに対する測定結果が、瞬時に粒子Bの結果を導き出す。このような関係は、単純に2粒子間の相互作用と考えるわけにはいかない。

むしろこの結果は量子が持つ特有の性質として理解されるべきである。このような状態が持つ相関が、量子もつれ、すなわちエンタングルと呼ばれる現象である。量子レベルでは、光速という概念すら導入できず、太陽が突然なくなるような相互作用とは異なる原理によって、それぞれの粒子に相関があるようなのだ。

瞬時に相関している光速を超えた関係。これこそ、2つの粒子が別の次元で、つながっている証拠ではないだろうか。(この項、続く)


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2010年11月19日

重力が弱いということ−統一理論への道(その2)

なぜ重力が弱いのか。

そもそも重力とは、物体がその質量に比例して受ける力である。質量は物体の重量であり、つまり、重力とは重さを生む力である。物が重いのはあたり前だと思うが、物は分子で構成され、分子は原子で構成され、そして原子は素粒子で説明される。つまり物を突き詰めて考えた最小単位が素粒子と呼ばれるものとなる。

ところが、素粒子はあまりにも小さいので、直接観察することさえできない。観察とは、一般に光や電波の反射の結果として”見える”ものだからである。素粒子には反射という観察レベルは通用しない。したがって、回りの状況から間接的に推察するしかない。そのため、なかなか素粒子の本当の姿がわからなかった。

素粒子レベルの研究では、仮説を立て、それを実験で証明する、という手法が一般的だ。超弦理論、膜宇宙論もそうした仮説から誕生した。現在、注目されているのは、どうも素粒子が消えてしまうという点である。消えても、また現れる。こうした現象を今まではうまく説明できなかった。ところが、3次元+時間4次元.jpgという我々が思っている世界を超えて、別の次元が存在するということであれば、これが説明できるということになった。つまり、素粒子が消えるのは我々が見えない別の次元(5次元)に移動し、現れるのは、またそこから戻ってくるからである。

もし本当に素粒子が消えてしまうのであれば、質量はどうなるのであろうか。質量がなければ重力は発生しない。しかし、消えているようでも重力は存在するようなのである。つまり、消えて別の次元に移動しても、そこからの重力は作用している。しかし次元を超えた”向こう側”から作用しているので全体的に重力は弱くなるということだ。(この項、続く)


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