2010年11月05日

Unification−統一理論への道(その1)

アインシュタイン(写真)の目指した統一理論は、宇宙の森羅万象すべてを説明できるエレガントなものでなければならなかった。しかしながら、相対性理論も持ってしても、それはかなわぬ夢だった。space049.jpg

統一理論(Unification)とは、遠大な宇宙から、微細な量子に至るまでを、あまねく説明できる宇宙方程式のことである。

”統一理論”と呼べるものを最初に示したのは、アイザック・ニュートン(1642−1727年)である。ニュートンの万有引力の法則は、当時、目にする身近な風景を、概ね説明できる優れた理論であった。我々の肉体レベルで実際に体験できる世界では、雷の稲光と雷鳴の時差で、音速と光の速度の違いを認識する位はできるが、相対性理論が効いてくる光速に近いところで引き起こされる微細な時間のずれは感覚として理解することが難しい。

アインシュタインが相対性理論に至ったきっかけは、アインシュタイン自身が明らかにしているように、ファラデー(Michael Faraday 1791−1867年)による電磁場理論を元に、マックスウェル(James Clerk Maxwell 1831−1879年)が導き出したマックスウェル方程式にあるということだ。アインシュタインは、自らの業績について、ニュートンよりも、マックスウェルに支えられたところが大きいと述べている。

しかし、この電磁気の力が曲者だった。相対性理論は、重力や質量について注目しているが、その重力の何と弱々しいことか。電磁石の強大な力や、大した質量を持たなくても、強力な磁石の持つ力は、実際に体験できる。こうした”力”と比較すると、重力は弱いということになるのだ。

この”重力の弱さ”という問題が、後々まで尾を引くことになる。そして統一理論への道につながって行く。(この項、続く)


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2010年11月01日

重力は異次元から作用する弱い力

米タイム誌が2007年に選んだ「世界で最も影響力のある100人」の一人が、アメリカの理論物理学者、リサ・ランドール博士(写真)である。現在、ハーバード大学、プリンストン大学、マサチューセッツ工科大学の各大学の教授であり、終身在職権まで獲得している。女性では極めて異例であり、学会における信用度は相当なものだ。重力-リサ・ランドール-異次元.jpg

特に得意とする研究分野は「異次元」。我々の住む3次元空間+時間の4次元を超えた5次元以上のこと。異次元は、超ひも理論やM理論で、その存在が確実視されており、ランドール教授はそれを実験でも確かめようとしている。やり方は、加速器で素粒子(の一つである陽子)を衝突させ、飛び散ったときに消えてしまうとすれば、それは異次元に消えたという証明になるということだそうだ。

量子力学の世界では、素粒子が、突然、姿を消したり、現れたりする現象が知られている。実に奇妙な現象であり、長い間、研究者の頭を悩ませてきた。彼女は、それを理論的にも証明したとして、一躍名をはせた。ランドール教授が有名となったもう一つの理由は、彼女が、一般的にもわかりやすい説明を得意としている、ということもある。

異次元というキーワードは決して目新しいわけではないが、現実には見えないわけで、あったとしても、それは微細な空間であると考えられていた。しかし、彼女の理論はもっと大胆で、異次元空間は無限の広がりを持ち、我々の宇宙と同じ巨大なものである、とした。

つまり、我々の存在する宇宙空間が、異次元の宇宙と隣接しており、消滅したり、現れたりする素粒子は、別の宇宙空間から行き来しているとすることで説明できると言う。

重力の正体は、物体(りんご)と地球の間に働く万有引力である、という発見をしたのはニュートンであるが、この重力がいろいろな意味で謎だった。なぜ重力だけが、とても弱い力なのか?「弱い力」と言われてもピンとこない人も多いかもしれないが、例えば、こういうことである。

人がジャンプすると、重力に逆らって、飛ぶことができる。人は、宇宙空間の中の微細な生物。その”弱い”はずの人でさえ、重力よりも強い力を発揮できる。何を当たり前なことを、わざわざ難しく説明するのか、と思うかもしれないが、重力とは、かくも簡単に逆らうことができるということである。だから、弱い力、ということになる。

ということで、この弱い力が、実は次元を超えて作用している、というのが、新しい異次元的な考え方である。見えない空間(異次元)から作用してくるのが重力、という訳である。そう言われてみると、なるほど、重力は弱いのかも知れないと思えてくるから不思議だ。

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異次元は存在する (NHK未来への提言)
リサ・ランドール著
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2010年10月15日

ガンマ線バーストの影響

直近で観測されたガンマ線バーストはいずれも遠距離であり、地球への放射量が少ないため、影響はほとんどない。一般に、ガンマ線バーストは継続時間が短いために、その影響も限定的と考えられる。しかしながら、近くで発生した場合、短い時間でも、地球大気に深刻な被害をもたらす可能性がある。それがオゾン層の破壊だ。

近距離でバーストが起きた場合、10秒程度の継続時間であっても、地球大気のオゾン層の半分が破壊される可能性があることがわかった。オゾン層がいったん消滅すると、元に戻るのに少なくとも5年を要するという。その間、太陽からの紫外線量が増え、地上や、海・湖沼の表面近くに生息する生命の大半は死滅してしまう。そのため、食物連鎖も破壊され、生物が大量に絶滅することになる。

カンザス大学のブルース・リーバーマン博士は、約4億5000万年前のオルドビス紀に実際に以上のようなことが起こり、生物大絶滅を引き起こした可能性を示した。

ガンマ線バーストの観測は20世紀後半から徐々に本格的に始まった新しい研究課題である。バースト源の観測も難しく、その発生機構も完全にはわかっていない。しかし、これほど大きなエネルギーを発生するメカニズムの解明が天体物理学上、極めて重要な問題であることは理解できる。発生の頻度と、その影響の大きさも当初の予想を超えており、宇宙の真理を解明するためには欠かすことのできない研究だ。350px-Gammarayburst-GRB990123.jpg

写真は、1999年1月23日に起きたガンマ線バーストの発生源であるGRB990123と呼ばれる天体。発生源を部分的に拡大したのが右側。可視光での残光の最も明るい点の上部に見える細長く伸びた淡い光はバースト源が所属している銀河。この銀河は別の銀河と衝突している。銀河の明るさと比較して、この一点から発せられた残光のすさまじさはいかばかりか。ガンマ線バーストのとてつもないエネルギーの放射量が想像できよう。

もし、このようなことが、将来、天の川銀河とアンドロメダ銀河の衝突の最中に起こったとしたら、双方の銀河に所属しているすべての星の生態系が壊滅的な影響を受けることになるかもしれない。遠い未来の話ではあるが...

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posted by 火星ちゃん at 10:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 理論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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