2010年09月24日

ボイジャーの旅は続く

劇場版「スタートレック」の第1作の設定はおもしろい。今こそ、話題となっても良いくらいだ。参考のために要約すると:

正体不明の巨大な雲状の何かが銀河系を地球に向かって進んでいる。その進路を妨害しようとするものは攻撃され、消滅させられてしまう。そして地球への軌道上の近くで残っている宇宙船はついにエンタープライズ号だけとなった。昇進して今は地上任務についていたカーク提督は船長に復帰し、調査に向かう。そして、雲の中に「ヴィージャー」と名乗る謎の存在を突き止める。「ヴィージャー」は、地球にいるはずの創造主と一体化するのが目的であった。220px-Voyager_Golden_Record.jpg

結論は、「ヴィージャー」(スペルはVger)は実はボイジャー(スペルはVoyager)だったという話。つまり、Vとgerの間のoyaの文字が欠けていたため、Vgerと呼ばれていただけだった。長い航海の中で、人工知能が自らの意思を持つようになり、かつて打ち上げられた地球に戻ろうとしていた、ということ。

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ボイジャー計画は、NASAによる太陽系の外惑星および太陽系外の探査が目的であり、1977年に1号、2号と打ち上げられた。すでに30年以上の航行を続けているが、1号は2020年、2号は2030年までは稼働を続けることができると言われている。エネルギー源はいずれも原子力電池であるが、消耗品の寿命が持つ限り、機材が壊れることはないらしい。最後は、原子力電池の出力が低下し、すべての機器に電源を供給できなくなるために機能が停止してしまう。それにしても高い技術力であり、NASAの底力はすごい。

いずれにせよ、ボイジャー1号、2号はともに、現在、太陽から170億km以上離れた太陽系の淵を秒速約17kmで飛行中で、地球から最も離れたところにある人工物体となっている。ちなみに上記スタートレックの中の「ヴィージャー」は架空の「ボイジャー6号」という設定だそうだ。

写真は、ボイジャーに積まれている、金メッキされたレコード板。「地球の音(The sounds of Earth)」というタイトルで、地球上の様々な言語による挨拶、音楽、音、イラスト、写真などが収録されている。ボイジャーの公式サイトは現在もNASAによって運営されている。

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2010年09月14日

宇宙の終焉とは

宇宙がビッグバンで始まったという説は今や一般的になってきたが、宇宙の終焉についてはまだまだ謎が多い。

ビッグバン自体をさらに細かく検証し、その前後、あるいは進行の過程を研究する内にさまざまな仮説や理論が唱えられ、同時に、現在の膨張する宇宙と、これからの進行、そして宇宙の終焉があるのかどうか、などを矛盾なく説明するための理論化が今でも盛んに行われている。

当初の一般相対性理論では引力によって宇宙がやがて収縮してしまうため、アインシュタインはやむなく引力を打ち消す力を宇宙項として追加した。しかし宇宙は収縮しないばかりか、むしろ膨張している。

最近の研究では、宇宙空間は単に膨張しているのではなく、加速度的に膨張しており、その勢いはますます大きくなってきている。いったい、どこにそんな力が存在するのか。アインシュタイン以来、大きな謎となっていた。

宇宙空間は、いわば真空であり、真空中に恒星や銀河が存在する。それ以外に大きな物質や質量は存在しない。つまり、目に見える力だけでは宇宙の膨張の説明がつかないのだ。引力に逆らう力はどこのあるのか。hs-2004-12-c-web.jpg

そこで登場したのが「ダーク・エネルギー」という仮説である。ダーク・エネルギーとは、正体不明の力の総称であり、「真空のエネルギー」もその内の一つだ。真空のエネルギーは、負のエネルギー、つまり、反発する重力、ということになる。言いかえると、何もないはずの真空中に、エネルギーが存在し、それが、宇宙を加速膨張させる原動力となっている。

現在の宇宙の膨張の速度から、宇宙空間における力の70%はダークエネルギーでなければならず、その正体が真空のエネルギーではないかと、今では多くの物理学者が考えている。

いずれにせよ、このまま宇宙が膨張を続けると、最後にはそれぞれの銀河や恒星が、お互いの光の届かない距離にまで離れて行く。見た目では、それぞれが孤立してしまい、夜空には星すら見えなくなる。それがさらに進行すると、物質のレベルから、ついには素粒子のレベルで、ばらばらになるほど膨張を続ける。それが、ビッグ・リップ(Big Rip)と呼ばれる宇宙の終焉理論であり、2003年にフィジカル・レビュー・レター(Physical Review Letters)誌に論文(Robert Caldwell他)として発表された。

(写真はHUBBLESITE.ORGに掲載された宇宙の終焉の可能性。右端がビッグ・リップ)

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2010年09月12日

ブラックホールの発見

ブラックホールがどうして謎なのか。
それは目に見えないからである。

目に見えないものを想像するのは難しい。しかしながら、ブラックホールは、どうも至るところに存在するらしい。そして、今や、ブラックホール抜きに宇宙を語ることはできないほど、重要な存在となっている。

ブラックホールの概念が最初に登場したのは、およそ200年前にさかのぼる。18世紀の英国の牧師であり、科学者でもあったジョン・ミッチェル(John Michell:1724−1793年)は、ニュートンの万有引力が光にも適用されるならば、物体の質量が十分に大きくなると、光さえ脱出できなくなり、目に見えなくなるはずだと考えた。正に、ブラックホールの概念だ。

ミッチェルは、万有品力の法則から、実際に質量の計算まで行ない、どの位で目に見えなくなるのかを数値で表し、論文に記した。その論文は、現在も大英博物館に保管されているが、当初、あまり注目されなかったため、”ブラックホール”の記述が発見されたのは、1970年代になってからであった。

ブラックホールの理論的な骨子は、アインシュタインの一般相対性理論の宇宙項、いわゆる宇宙方程式から導かれた。アインシュタイン自身は宇宙項を撤回したが、カール・シュワルツシルト(Karl Schwarzschild:1873−1916年)は第1次世界大戦の従軍中に、そ200px-Black_Hole_Milkyway.jpgの特殊解を導き出し、後に、それがブラックホールを示唆した発見として認識されることになった。

アインシュタインとも親交のあった、ロバート・オッペンハイマー(Robert Oppenheimer:1904−1967年)は、若くして頭角を現した天才物理学者であるが、中性子星の理論的研究の過程で、ブラックホール生成の研究の端緒を開いた。しかし、第2次世界大戦で、原爆の開発を主導する立場になり、ブラックホールの研究自体は中断されてしまったと言われている。

1960年代に入り、ブラックホールの理論的な研究が進んだが、この謎の天体を、「ブラックホール」と名付けたのは、米国の物理学者、ジョン・ホイーラー(John Archibald Wheeler:1911−2008年)である。ホイーラーはまた、「ワームホール」の名付け親としても知られている。

はじめて、ブラックホールが観測されたのは、1970年代に入り、X線星の観測が盛んになってからである。X線星は、普通の恒星と見えない天体で連星を作っており、高速で絡み合いながら、お互いが回っている。放出されるX線の強さとその変動値が計算されると、見えない天体の大きさや質量がわかってきた。

その中で、白鳥座X-1と名付けられたX線連星の見えない天体が、はじめてブラックホールと認定された。白鳥座X-1のブラックホールの半径は数10km程度と考えられている。(写真はブラックホールのイメージ)

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2010年09月10日

火星と木星の間の小惑星帯

太陽系の惑星は、内側から、水星、金星、地球、火星となっているが、火星と木星の間は広く空いている。その空いている空間に小惑星帯が存在していることは広く知られている。(図:小惑星帯のイメージ)
2304.jpg
小惑星帯の中でも、最大のものは、直径950kmほどのケレス(Ceres)である。ケレスは1801年に発見されたが、当初は、新しい惑星の発見ではないかと見なされた。しかし、数年の間に、パラス(Pallas)、ジュノー(Juno)、ベスタ(Vesta)と同じような軌道上に次々と小惑星が発見され、さらに、もっと小さな微惑星が多く発見されたため、小惑星帯(Asterod Belt)と名付けられるに至った。ケレスを筆頭に大きなものは準惑星(Asteroid)として別個に定義されることがあり、それらを除いて、小惑星帯と称される場合もある。

さて、ケレスを筆頭に多くの微惑星が同じ軌道に散らばっているとなると、これはもともと一つの惑星が、何らかの理由でばらばらになったと思われがちだが、研究では、そうではないらしい。むしろ、惑星になりきれなかった宇宙の塵の集まりだと考えられている。小惑星帯と言っても、それぞれの距離は相当に離れているため、お互いがぶつかりこともほとんどない。土星の環のような密集したイメージではないのだ。

結局、小惑星帯はもともと大きな一つの惑星だったわけではないので、火星に代わる古代知的生命体の話には残念ながら結び付かない。それでも、やはり、SFの世界では題材になる。かつて、火星と木星の間にあった惑星カタインが砕けて小惑星となったという話が、これ。

透明惑星危機一髪!/時のロスト・ワールド <キャプテン・フューチャー全集4> (創元SF文庫)
エドモンド・ハミルトン著
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2010年09月08日

天体衝突が地球の鉱山資源のルーツ

有史以来、地球上には様々な元素が存在する。鉄、銅、金、銀、プラチナ。酸素、炭素(と結合した二酸化炭素)、カルシウム、シリコンなどなど。しかし、これらの元素を作りだすのは容易なことではないことは先に述べた。人類という知的生命体の誕生も奇跡的に近いが、これだけ多くの元素が惑星に存在していること自体、気が遠くなるほどの過程を経ており、やはり奇跡的と言わざるを得ない。

そして、世界有数の油田や鉱山が、実は天体衝突によるクレーターに位置していることもあまり知られていない。

米国オクラホマ州のエイムズ油田では石油の井戸が円形状に沿って掘られていることから詳細な地質調査が行われた。その結果、地下に直径16kmのクレーターが存在することがわかった。無題2.jpg

世界の金の産出量の半分を占める最大の金鉱がある南アフリカのプレデフォート・クレーターは直径300kmに及ぶ。他にも、カナダにあるサドベリー・クレーターのニッケル鉱山、同カーズウェル・クレーターのウラン鉱山、ドイツにあるリース・クレーターの石炭、ロシアのポピガイ・クレーターのダイヤモンドなど、枚挙にいとまがない。(図はユーラシア大陸およびアフリカ各地に点在するクレーター)

地球は、地殻変動が活発なことから、あまりクレーターが残っていないと考えられていたが、そうではなかった。多くのクレーターがまだ未発見なだけで、これらクレーターには資源が豊富に眠っている可能性があるのである。

(参考:NHKスペシャル「未知への大紀行宇宙」)
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2010年09月07日

多次元 − 見えないものは理解できない?

量子力学は特に難解だった。「シュレディンガーの猫」と呼ばれる架空の実験は有名だが、ちょっと引用してみよう。

まず、猫を箱に入れる。箱には仕掛けがあり、ラジウムがある時間内で放射線の一種が観測されるかどうかによって、猫の生死が決まるようになっている。箱を開けるまでは、どうなるかわからない。箱を開けてはじめて、生きているか、死んでいるか、の2つの状態を認識できる。しかし、我々は、生きている確率が50%で、死んでいる確率も50%、という重なり合った状態を認識することはできない。普通の生活の中に、そのような状態のイメージがないからだ。

量子力学では、このように、一般にイメージできない状態で理論化されているために、直感的な理解が難しい。物質の最小単位が、大きさを持たない点としてイメージせよ、というのにもかかわらず、それが、いろいろな性質を持つのだ、と言われても、よくわからないのも同じような話だ。大きさがあればまだ理解できる可能性があるのに。

どうして、そうなるのか。よく言われるのは、1次元(線)の中に暮らすものには、2次元(面)を理解できない。2次元(面)の中で暮らすものには、3次元(立体)を理解できない。時間軸は4次元目として別の次元ととらえられるが、我々のように3次元(立体)で暮らしているものには、さらに、もう一つの拡がりである新たな次元が加えられるという意味がどういうことなのかは理解できないのである。

素粒子の一つが突然消えてしまう現象を説明するために、5次元の存在を予測したリサ・ランドール(Lisa Randall)博士(ハーバード大学教授)は2007年、タイム誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」の一人に選出された。話題の超弦理論やM理論では時間軸を入れて、11次元まで次元を拡張している。
膜宇宙.jpg
多次元空間が宇宙の本質だとすると、我々のいる宇宙と同じような別の宇宙が並行して存在する可能性が出てくる。わかりやすく理解するために、我々の宇宙が一つの膜の中に存在すると考えると、隣り合った膜に別の宇宙が存在する。これが膜宇宙論である。(図は重なって存在する膜宇宙。重力は行き来しており、それが理由で、重力だけが、極端に弱い力になっていると見られている。)

条件が整うと、一つの膜宇宙から、別の膜宇宙へ移動することが、イメージ的にも可能となる。SF的ではあるが、それができると、別の宇宙空間を経由することにより、同じ宇宙空間の中で、今いる場所から、一瞬の内に別の場所へ移動することが可能となる。

しかし、宇宙人がそばにあふれていないところを見ると、やはり、それほど簡単には起こらないのかもしれない。

ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く
リサ・ランドール著


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2010年09月06日

核爆弾と宇宙の創生

地球上で使用された核爆弾は、ウランやプルトニウムを核分裂させる原子爆弾と、重水素などを核融合させたエネルギーを利用する水素爆弾の2種類がある。どちらも、原子核の核分裂や核融合の膨大なエネルギーを兵器として開発したものである。

一般の世界では、物質は安定しており、多少の衝撃では核分裂も核融合も起きない。それがマクロの世界の話であり、我々が常識的に理解しているニュートン力学の世界である。

対して、量子力学は、物質の最小単位まで極めようとするミクロの世界の話である。ミクロの中のミクロ、すなわち物質の最小単位は、直感的に大きさや拡がりを持たない点をイメージするところから始まった。それが素粒子という考え方である。近年、この素粒子のイメージが変わりつつある。点ではなく、ひものように拡がった弦が振動した状態を最小単位とする弦(ひも、または、ストリング)理論が代表的だ。しかしながら、まだ未完成の理論である。弦理論が発展して、超弦理論になり、それでも説明できないことがあるため、弦の端を一つの膜に結びつけて、関係を包含した。この膜理論がM理論と呼ばれるものである。超弦理論やM理論が話題なのは、宇宙の創生に関わるビッグバンを説明するのに有力である可能性が高まったからだ。

それにしても、ミクロの世界から、どうしてビッグバンのような宇宙を創生するほどの爆発的なエネルギーが生まれるのか。これこそ、人類が地球上で身近に体験した核爆弾の威力と重なるのだ。

現在、地球上で発見された元素は100種類を超えるが、当初、宇宙には水素とヘリウムの2種類の単純な元素しかなかった。核融合反応により、恒星が輝き出すと、温度と圧力が増し、より複雑な元素が生まれることになる。しかし、生まれるために必要なエネルギーは尋常なレベルではない。超新星の爆発のように急激な圧力の高まりと温度上昇が必要となる。たとえば、摂氏7億度の状態では、ネオン、マグネシウム、30億度で、シリコン、硫黄、アルゴン、カルシウム、50億度で鉄などが生まれるという。鉄よりも思い、金、銀、プラチナなど、60種類の元素も同じような過程から生まれるのであるが、現時点の実験室レベルで、このような極限状態を作り出すことはほとんど不可能な状態だ。したがって、昔の錬金術師が夢見た、金の生成は、今でも、実現されていないのである。
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2010年09月04日

理論物理学による天地創造論

ビッグバンの研究は、天地創造の仕組みに迫る研究でもある。ホーキング博士が、神は不要という意味は、物理学で理論的に”天地創造”すなわちビッグバンをきちんと説明できそうだという意味であり、必ずしも、宗教的な神の否定ということではないだろう。

いずれにせよ、ビッグバンの研究は、理論物理学の最新の話題の一つであることは間違いない。その基本となる多くの理論は、現在も決定的なものはなく、いろいろな説がお互いに関連したり、補完し合いながら、進化を続けている。

基本となる考え方は、1960年代に提唱された、超弦理論だろう。別名、超ひも理論、スーパーストリング理論とも呼ばれる。

物質の基本は、直観的に、無限に小さい0次元の粒子だろうと考えられてきた。それを、一次元に拡がる弦(ひも)を最小単位とするのが、弦理論である。その弦理論に超対称性理論を加え、拡張したものが、超弦理論である。超弦理論は、一般相対性理論と量子力学を結び付けるという難題を解決する理論の一つとして注目された。

細かい説明は省略するが、以降、最新の理論物理学で有望とされている理論の名称だけを、いくつか紹介する。

超弦理論は次元という考えが大きな意味を持つ。現在の超弦理論では、さまざまな理論の整合性を保つために、通常の3次元に時間を加えた4次元に、さらに量子レベルでしか説明できない6次元を加えた10次元時空が必要とされている。

さらに1次元を加えて合計11次元を必要とする超重力理論を継承したM理論は、1995年、エドワード・ウィッテン(Edward Witten)により提唱された。M理論では最小単位を弦ではなく、膜とした。2次元の膜や、5次元の膜が構成要素として考えられている。ホーキング博士が気に入っている膜宇宙論もM理論に基づいている。

M理論は革命的とされ、超弦理論よりも根源的ではある。しかしながら、未完成な部分もあり、理論として完全に認知されているわけではない。実際、ホーキング博士自体、当初、超弦理論に否定的だったし、現在も、否定的な意見は根強く、間違っているだけでなく害悪であると非難する人もいる。

この手の話はむずかしい。実際に、現在の通常の大学や大学院の物理学科ですら、通常の授業で、超弦理論まで触れることはほとんどないという。ホーキング博士が貴重なのは、難解な最新の理論物理学の話を一般向けにときおり披露することができるからである。

超弦理論について:
肯定的な話
エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する
グリーン著

否定的な話
超ひも理論を疑う―「見えない次元」はどこまで物理学か?
クラウス著
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2010年09月03日

宇宙創造の理論において、神の居場所はない

今回は、ホーキング博士の話題から。以下、少し長いがAFP電からの引用。

【2010年8月10日 AFP】「宇宙創造の理論において、もはや神の居場所はない」――。
英国の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士が近著の中でこう記していることが、9日公表された抜粋で明らかになった。物理学における一連の進展により、そう確信するに至ったという。1988年に発売され、世界的なベストセラーとなった『ホーキング、宇宙を語る(A Brief History of Time)』において、「神という考え方は、宇宙の科学的理解とは必ずしも相いれないものではない」と比較的寛容だった宗教観は、新著『The Grand Design(グランド・デザイン)』では硬化した。ビッグバンは万有引力の法則の結果でしかないという論を、次のように展開した。「引力などの法則が存在するため、宇宙は無から自らを創造することが可能。自発的に創造されたからこそ、無というよりは何かが存在する。だからこそ宇宙は存在し、われわれも存在する」
「青い導火紙に火をつけ、宇宙を創造してくれるよう、神に祈る必要はない」
「宇宙は混沌(こんとん)から生まれることはあり得ない」とするアイザック・ニュートンの理論に立ち向かうきかっけとなったのは、1992年の太陽系外惑星の発見だったと記している。
「(この太陽系外惑星は)地球の条件に一致していた。太陽が1個であること、地球と太陽の距離、太陽の質量などの幸運な要素が似通っていた。このことは、地球がわれわれ人類を喜ばせるためだけに注意深く作られたという考え方を弱めるものだ」

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ホーキング博士のような世界的に高名な物理学者に意見するのもおこがましいが、神の存在を否定するに十分論理的な説明になっているのだろうか。

ここで、アインシュタインの指摘を思い出してしまう。「宇宙を完全に説明できる理論が納得できる形で存在しない限り、それは正しい理論ではない。神がそんな複雑な方法でしか説明できないうような世界を作るはずがない。」

いったい、今の物理学は、それほどエレガントに宇宙を説明できているのだろうか。
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2010年09月02日

生物の大量絶滅と謎の恒星ネメシス

人類誕生の鍵を握るのが、皮肉なことに、恐竜を絶滅させたという天体衝突にあるらしい。ユカタン半島の6500万年前の衝突、チェサピーク湾の3500年前の衝突、そして、もっとも最近では、500万年前にも天体衝突が起こったとされている。

1984年以降に発見された化石のデータに基づいて調査・分析した研究グループによると、2700万年ごとに生物が大量に死滅しているパターンを示していている。大きな天体衝突と、生物の大量絶滅に関し、周期性があるということだ。アポロ計画の月の岩石を分析したリチャード・ミューラー(Richard A.Muller)教授(カリフォルニア大学バークレー校)もこの説に一役買っている。

ネメシスの仮説は、1984年に古生物学者のデビッド・ロープ(David Raup)とジャック・セコスキー(Jack Sepkoski)の両氏が、生物絶滅が驚くほど定期的に繰り返されていることを発見したことがきっかけになっている。この説明のために、2つの天文学者グループq41.gif、ウィットミア(Whitmire)とジャクソン(Jackson)のグループと、デイビス(Davis)、ハット(Hut)そしてミューラー教授のグループが、それぞれ独立して同じ号のネイチャー誌に論文を発表した。これが、ネメシス仮説と呼ばれるものであり、太陽には未発見の伴星があり、この星が周期的にオールトの雲(想像図。JAXAのサイトより複製)を乱して、地球への衝突の原因となる彗星を発生させるというものである。

ネメシスの存在はまだ確認されていない。しかし、結論は意外に早く出る可能性がある。存在しているとすれば、2009年12月にNASAが打ち上げた広域赤外線探査衛星「WISE」の役割が大きい。ミューラー教授は、ネメシスは現在太陽から1-1.5光年離れた位置にあり、うみへび座の方向に見えると推定している。ネメシスが褐色矮星の場合は、WISEによって発見できるとされている。あとは、地上の大型望遠鏡にも期待が寄せられる。チリに建設が予定されている大型シノプティック・サーベイ望遠鏡「LSST」や、4台の望遠鏡プロジェクト「Pan-STARRS」などは、高感度で全天を観測できるということだ。

ちなみに、ネメシスとは元々ギリシア神話で「神の怒り」を表す女神のことである。

以下、ネメシス関連。

1) 恐竜はネメシスを見たか
   リチャード・ミューラー著 手塚治虫訳

2) ネメシス〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
3) ネメシス〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
   いずれもアイザック・アシモフ著
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